ポートレートを愛するフォトグラファー・モデルの皆様こんにちは。アマチュアフォトグラファーのみぞみぞです。
あまりにも当たり前の話ですが、ポートレートを撮るにはフォトグラファーとモデルが必要です。
フォトグラファーはモデルに、モデルはフォトグラファーに撮影依頼を出すことを避けては通れません。
今回はポートレートを撮る前に必ず通る関門、撮影依頼の書き方についてお話します。
はじめに
特に初心者の方は撮影依頼を出すのが緊張する・書き方がわからないという方が多いと思います。そんな方が一歩踏み出していけるように、どんなことを考えて撮影依頼を書けばいいのか解説していきます。。。が、この記事はそういった初心者のためだけではありません。
残念なことにポートレート撮影を巡る金銭的・性的トラブルは定期的に発生します。それは決して初心者だけではなく、ある程度経験のあるフォトグラファー・モデルが起こしてしまうケースも多々あります。
トラブルを防ぎながら、お互い気持ちよく撮影するにはどうしたら良いか。そんな議論の叩き台になれば幸いです。
この記事の前提
この記事では、男性フォトグラファーがSNSで活動している女性モデルに撮影依頼を出すことを前提に書いていきます。
要所要所で、モデルの方から依頼する場合の参考になる情報も書いていきます。
下準備
ポートフォリオを作る
まず一番に準備するものがあります。ポートフォリオ (SNSアカウント) を作りましょう!
ポートフォリオというのは「自分の実績・実力がわかる作品集」のこと。要するにSNSアカウントに写真作品を投稿しておきましょう。いきなり完璧なポートフォリオは作れないので、とにかく人物写真を載せておけばOKです。友人や家族の写真でも構いませんし、撮影会や写真教室に参加する手もあります。
モデルの場合は自撮りや遊びに行った時の写真で良いので、過度に加工していない顔のわかる写真を載せておきましょう。少しでも活動している実績を見せることが大切です。
アイコンは自分の雰囲気と年齢・性別がわかるようにして、プロフィールに最低限住所(都道府県)・年齢を書いておきましょう。アイコンでわかりにくいなら性別も。出来れば経歴や休みの日、撮影条件なども書いておきましょう。
私の場合はプロフィールに最低限の情報を、Instagramのストーリーズハイライトに詳細をまとめています。
自身のポートフォリオとなるSNSアカウント
相手の情報を調べる
依頼したい相手が見つかったら、まずは相手の情報を調べましょう。丁寧な下調べが引き受けてもらいやすい依頼を書くことにつながります。
下に挙げる項目ぐらいは把握しておきましょう。
- 撮影依頼を受け付けているか
受け付けていない人に交渉するのはハードルが高いです。撮影会等を通している場合は正規ルートからコンタクトしましょう。 - 住んでいる場所
相手の居住地から遠くない範囲で撮影地を決めましょう。 - 年齢
依頼内容には関係ありませんが、未成年(特に高校生)と知らずに依頼してしまうとトラブルのリスクがあります。 - 休みの日
休みを合わせて撮影に行けるかも確認しておきましょう。 - 撮影は有償か無償か
有償の方には有償でお願いしましょう。明言されていない場合は、トラブルを避けるためにも最初に確認しておく必要があります。
もし確認した結果予算を超えてしまったら、それを理由に断るのは悪いことではないと思っています。趣味に使える金額は人それぞれ決まっていますからね。 - 活動歴/キャリア
自分の経歴・提供できる写真を説明する時の参考にしましょう。引き受けてもらえるかどうかの大まかな指標にもなります。 - 活動しているSNSアカウント
後々タグ付けするのに必要になります。掲載して良い媒体(写真の使い道)もお互い確認して同意をとっておきましょう。Instagram,Twitter,noteなどなるべく多くの投稿を見ることで相手の人柄も読み取れます。 - 投稿している写真のテイスト
コンセプトを考えるときの参考にしましょう
相手が掲載している情報は隅から隅まで調べてください。依頼に必要な情報をまとめてくれている人もいますが、そうでない場合は数日かけて調べることも必要です。
相手の調査は依頼を書くためだけではなく、トラブルを起こさず継続して付き合っていけるか判断するためにも重要です。相手のことをしっかり調べてから依頼を出しましょう。
事前にやり取りしておく
もし依頼したい相手と相互フォローなら、事前にDMでやり取りしておけばメッセージを返してくれるか、きちんとやり取りできる人かある程度判断できます。
フォローしてくれたお礼と写真への褒め言葉、機会があれば撮影に行きましょう。くらいの社交辞令で十分です。そこから盛り上がってすぐ撮影が決まることもありますが、相手が返事に困らない程度の内容にしておくのが吉です。
相互フォローでない場合は本気の撮影依頼以外は無視される可能性が高いので、個人的には送らない方が無難だと思います。
あ、当たり前ですが相手の方はフォローしておきましょうね。最低限の礼儀です。フォロー出来ない理由があるなら依頼時に伝えましょう。
撮影内容を考える
コンセプト
まずはどんな写真が撮りたいのかきちんと決めましょう。イメージに近い写真があると説明が楽になります。
コンセプトはなぜ貴方なのかを説明できるものであるべきです。彼女感の演出が得意なモデルにダークな作品を頼んだり、クールな表情が売りのモデルに笑顔を要求すれば断られるのは当たり前です。
モデルから依頼する場合もどんな雰囲気で撮ってほしいのか、なぜ貴方に撮ってほしいのかをきちんとまとめましょう。
場所と時間
ポートレート界隈に長くいると麻痺しがちですが、普通の男女はDM一通で会いません。マッチングアプリですら会うまでにそれなりにやり取りを重ねるでしょう。
そんな異常な出会いを要求するのですから、お互いの安全を確保出来る環境を選ぶのは当然です。いきなり部屋撮りや車遠征なんて以ての外。最終的に屋内でセクシーな写真が撮りたいのだとしても、まずは近場の屋外で複数回撮影して信頼を得るのが先です。
どうしても最初から屋内や遠征が良いのであれば女性アシスタントを呼ぶなど、少しでも安心してもらえる環境を整えた上で打診しましょう。
時間も2〜4時間程度で、打ち合わせ+休憩を挟まずに撮り切れるくらいの時間にしましょう。体力的な問題もありますし、食事や休憩で必要以上の人付き合いを強いることを避けるためです。
服装
希望があるならきちんと伝えましょう。無い場合もお任せしますと伝えた方が安心してもらえます。衣装を用意して着てもらうこともありますが、初回は避けた方が無難です。
依頼の文面を作る
さて、内容が決まったところで撮影依頼を書いていきましょう。文面を作るにあたって意識してほしいことを挙げていきます。
信頼されることが第一
撮影依頼の最初に書くことは、何よりもまず自己紹介です。出来ればアカウント名だけでなく本名も名乗りましょう。誤字も気をつけて。きちんと準備して貴方を選んで、本気で依頼していることが伝わるやりとりを心掛けましょう。
撮影はギブ&テイク
写ってもらう=写真を提供するということです。どんな写真を撮って提供できるか説明しましょう。初めてなら初めてなりに写真教室には行ったとか、花で練習したとか、少しでも自分の努力と経歴を伝えることが信用に繋がります。
モデルから依頼する場合は説明が難しいと思いますが、とにかく自分の写った写真を見せることです。アカウントの投稿に写真が少ないなら、DMと一緒に自分の写真を送りましょう。
長すぎず短すぎず
ここまで撮影依頼で確認すること・伝えることをたくさん書いてきました。が、一気に全てを伝えようとするとあまりにも長いメッセージになります。2,3文しかない短文は論外ですが、逆に丁寧に説明しすぎて読むのが大変にならないようにしましょう。
私の場合は自己紹介・コンセプト・金銭面の確認・依頼の言葉だけに絞って、最初のメッセージはスマホでスクロールしなくても読み切れる文章に納めています。細かい内容は後のやりとりの中で調整していけます。
受けてもらえなくても仕方ない、の心持ちで。
さて、文面ができたらしっかり推敲して、依頼相手に送ります。もし相手が引き受けてくれたら撮影に向けてやり取りをしていきましょう。
さっきも書いた通り、SNSから会おうというのがそもそも異常な話です。引き受けるだけの価値と信頼を提供できるかは貴方次第。断られたり無視されたら素直に受け止めましょう。引き受けてもらえるまで頑張るのはトラブルに直結するのでお勧めしません。というかやめましょう。もうほんとに。
番外編:撮影依頼をもらうために
逆に撮影依頼をもらうためにはどうしたら良いでしょうか。答えはシンプルで、『自分が依頼したくなるようなアカウントを作る』です。
撮影を依頼するのに必要な情報をプロフィールに書き、写真の技術を磨いて継続的に投稿し、ネガティブな投稿は控え、送られてきたメッセージには即座に丁寧に対応しましょう。当然、実際の撮影でもモデルに嫌な思いをさせないよう真摯な行動を心掛けてください。
まとめ
長々と書いてきましたが、撮影依頼を引き受けてもらうのも送ってもらうのも、結局一番大切なのは信用です。
相手の立場に立った撮影依頼・撮影を積み重ね信用を築いていくことで引き受けてもらえる確率も、もらえる撮影依頼の数も増えていくでしょう。
一人一人の行動で、誰もがトラブルなくポートレートを楽しめることを願っています。
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