「漫画脳展拡大号」の運営を終えて。

やあ、年末ですね。2022年もあと10時間を切りました。
筆の遅いみぞみぞですが、この記事が2022年のうちに投稿されていることを祈ります。

さて、グループ写真展「漫画脳展拡大号」が12/19~25まで渋谷ギャラリーコンシールで開催されました。
2022年1月に原宿のデザフェスギャラリーで開催された「漫画脳展」の第二回目です。(みんな勘違いしてるけど今年なんです!)
公式Twitterはこちら

運営として。漫画好きとして。写真家として。感想や反省をメインに、思いつくままだらだらと書いてきます。
いつものようなお役立ち記事ではないですが、どうかお付き合いください。

漫画脳展とは

漫画脳展とはズバリ、

「作家の心の支え、育ちの骨組みとなった『漫画のセリフ』を元に写真を作る写真展」

です。主宰のケンタソーヤング氏(ケンタさん)と、運営の森川亮太(モーリー)のLINEでのじゃれあいの中で生まれたアイデアが元になって生まれました。

そこに私みぞみぞ(主に事務方)、佐野小波(こなみん、漫画が絡むと頭が弱くなる運営3人のお目付け役)、デザイナーのブンキ(ブンちゃん)を加えて5人で作り上げたのが、2022年1月に開催された漫画脳展でした。この時もちゃんとブログを書いておけば良かったです。。。

その漫画脳展の出展者数を大幅に増やし、パワーアップして帰ってきたのが「漫画脳展拡大号」です。
なんと出展者数42人。場所も原宿デザフェスギャラリーから渋谷のギャラリーコンシールに移し、より制約の少ない自由な表現ができるようになりました。

漫画脳展拡大号のDMデザイン

運営として①:写真展を運営するということ

第一回の運営を行った僕らは気づいていました。

「運営が死ぬほど大変」であると。

まず「展示のコンセプトに制約がある」ということ。
出展者にきちんと展示のコンセプトを理解してもらい、それに沿った作品を作り上げてもらうために丁寧な説明とサポートが必要でした。二次創作的な側面があるため、法律面の配慮も非常に胃が痛かったです。

次に「展示方法にはほぼ制約が無い」という条件。ギャラリーコンシールは非常に自由に壁を使えるギャラリー(釘はもちろんネジも使える、壁も動かせるしペンキで書き込んでもいい)で、展示コンセプトを実現するために大抵のことはできてしまいます。
どんな展示が出てくるかヒアリングして、問題が起きないようにするのはもちろん、ケンタさんは作品クオリティを上げるための相談にも乗っていました。

そして「42人」という規模。全員分の情報を集めて、未回答の人に催促して、データを集計・整形してデザインに回して、、、単純に作業量が多かったです。

これらを鑑みて、準備を始めた4月の段階で12月までの準備計画を立て、余裕をもって本番を迎えられるようにするつもりでした。

つもりでした。

実際のところ、10月以降まともに休んだ記憶が無いです。運営メンバーそれぞれ仕事が忙しかったり、個展をしたり、結婚したりとバタバタした上、計画段階で想定できていなかった作業がどんどん出てきて後手後手になってしまいました。
出展者の方々にも、連絡が滞ったりサポートし切れずご迷惑をおかけしてしまいました。
この規模の写真展を運営するには、まだまだ経験が足りないと痛感するばかりです。

運営として②:漫画脳展拡大号の熱量とクオリティ

それでも、最終的にはキチンと作品を揃え、写真展を開催することができました。
それどころか、それぞれの漫画愛をふんだんに詰め込み、壁を自由に使い、全力でコンセプトを訴えかける展示が勢ぞろいしたのです。

運営としては手前味噌になりますが、とんでもなくクオリティの高いグループ展になりました

それぞれの出展者がどれだけこの展示に深く向き合い、作品を作り上げたのか。
他の方々のnoteやTwitterから伝わるはずです。読んでいただけたら嬉しいです。

出展者の方々、来てくださった方々、そして一緒に準備してくれた運営の皆には感謝してもしきれません。

漫画好きとして&写真家として:展示コンセプト

出す漫画は最初から決まっていました。(諸々の都合でタイトルの記載は避けます。読み進めていけばわかります)
僕の人生のバイブルであり、愛して止まない2つの漫画。そのうち前回出さなかった方です。セリフもこれ以外ありえません。

「辛い時こそ顔を上げてるんだ。地ベタに希望は転がってねェぞ」

少年時代のジンに向かって佐山警部が言ったセリフです。ひたすらに辛い出来事が続くこの作品において、最終巻の最終ページまでジンを支え続けたセリフ。僕の人生の指針その2。墓石に刻んでもいい。

前回もそうでしたが、撮り下ろしの作品を出すつもりはありませんでした。
「このセリフが僕の普段の写真活動に影響していないはずが無い」という自信故です。
自分が今撮っている写真や写真を撮るための活動を振り返ってみれば、必ずこのセリフに合致する要素があると思っていました。

少々話が逸れますが、去年から山岳写真を撮り始めました。
元々運動不足のアラサー、最初は高尾山程度の山でヒーヒー言っていました。山登りは辛いんです。
それでも、見れるかどうかもわからない(いい景色に出会えることの方が少ない)山頂の景色に希望を持って登っていくしかないんです。
そう、まさに今僕がやっている山岳写真に対するスタンスが佐山警部のセリフそのものでした。

それに気づいて書き上げた、ブックのステートメントがこちら。

展示作品としては「山の辛さ」「山の希望」を象徴する2枚組を出し、ブックには僕が1年半の間に上った約20座の山の写真を詰め込んでその補足とすることにしました。

セリフと写真をリンクさせつつ、山岳写真家として第一歩(第0.1歩くらい)を歩きだした僕の全てを詰め込んだ展示とブックを出せたと思います。

なによりも、普段の写真活動と大好きなセリフがきちんと結びついていたことに、「漫画脳展の出展作品」として満足感を感じています。

今の自分に足りないもの

漫画脳展拡大号を終えて、達成感と同時に今の自分に足りないものに対する学びも大いにありました。
そのあたりも最後に書いておこうと思います。

まずは「写真展をプロデュースする能力」

運営としてお金の計算・各種連絡・運営作業の段取り・在廊シフトの作成など事務作業の大部分を担当しました。間違いなく、漫画脳展の成功に貢献した僕の成果です。ただこれに関しては、まあ、会社員なら普通できることなので、僕の能力というよりはただ手を動かしただけに近いです。必要な作業ではあるけど、できる人はたくさんいる。

それよりも難しくて、僕にできていないのが展示作品のクオリティを上げ、見に来てくれたお客様が展示を楽しみ・感動し、出展者自身も楽しめるようにすること。要するに「プロデューサー」の能力。このあたりはケンタさんが全部やってくれていました。まだまだ勉強させてください。

もう1つは「被写体に対する観察力」

在廊中、著名な写真家であり出展者でもあった福島裕二さんに自分の作品の説明をさせていただく機会がありました。僕の一回の説明を聞いただけで福島さんは、僕の写真に対して僕よりも鮮明な解説(上に書いた内容の10倍くらい濃い)をした上に、僕のポートレートの好みまで言い当てたのです。正直意味が分からない。プロの持つ観察力に脱帽すると同時に、せめて自分の写真については誰よりも深い話ができなければ、と痛感しました。

僕の展示した二枚組は「山の辛さ」「山の希望」を象徴した写真で、「辛さ」は「希望」の前の前座のつもりでした。でも実際には何かしら、「辛さ」にも魅力を感じているから写真を撮り、展示作品にしているわけです。この辺りを僕はまだ整理して言語化できていない。
もっともっと自分が撮っているもの・撮りたいものに向き合わないといけないなというのが、写真家として今一番強く感じていることです。

次回!2024年!?

漫画脳展は今回で終わりではありません!2024年か、もう少し先か、また必ずやります!
次回もまたたくさんの人と素敵な展示を作り上げたいと思っています!

よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!

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